今から注文住宅を建てるのに、何か読んでおいた方が良い本はありますか?
家づくりに欠かせないことは、1にも2にも知識と情報の習得です。そうして自分が絶対に外せないものや、自分なりのマイホーム基準を持つことをおすすめします。
予算が限りなくあれば、自分たちのしたいことを全て取り入れた家を建てることはできますが、実際には取捨選択をしなければならない時があります。
家づくりを始めるにあたって、デザイン(設計)・お金のこと・土地・建築業者選びなど、色々なことを考えていかなければなりません。
この記事では、家づくりの具体的行動を起こす前に「家族の健康」・「省エネ」・「耐久性(=ランニングコスト)」の3点に絞って、読んでおきたいエコハウスの本を紹介します。
環境や健康のことも大事ですが、建てた後に30年以上住むつもりなら、エコハウスの考え方を取り入れておいて損はありません。
エネルギー問題や光熱費の上昇を考慮して、住んでからのコストを意識した家づくりを考えることで、居住環境が良く耐久性のある家づくりに結び付けることができます。
【入門編1】温かい家は寿命を延ばす
せっかく注文住宅を建てるなら、寒さや暑さに影響されず家の中で快適に住み続けることは健康面でとても重要です。結局、自分たちが気持ち良く過ごせる家は手入れしていくことで耐久性も出るので、住む人だけでなく家も長寿命になります。
実際に業者選びや土地探しをする前に、家づくりの外せないポイントを押さえておく入門書として良いかと思います。私もこの本で家の温かさの重要性を思い出し、実際に室温を測ったり電気代を検証してみたりしました。
【入門編2】あたらしい家づくりの教科書
エコハウスは単なる設備の工夫だけで、性能や快適な室内環境を確保するわけではありません。エネルギーや実績の豊富な木造建築の専門家が、家づくりにおいての重要な性能・ポイントをなるべく分かりやすく解説しています。
少し前の2016年8月発売ではありますが情報として色あせることは決してなく、家づくりに対する自分なりの基準づくりに役立つことでしょう。この本以外にも現代の注文住宅に欠かせない基本情報を分かりやすく提供している、新建新聞社やエクスナレッジ社の家づくりの本はおすすめです。
エコハウスのウソ2
実際にある省エネやエコハウスといわれるものの誤解や、暮らしの中での実践的なエコハウスの施策について解説しています。みんなが省エネやエコハウスのことを勉強して理解して、良い建築業者に出会いリーズナブルに建てることができますように、との著者(前 真之/東京大学准教授)の願いが込められています。
『エコハウスのウソ』は2012年が初版で、2015年には【増補改訂版】が出されています。【増補改訂版】ではエコハウスの設計に必要な気候や屋根・壁(断熱)、設備についてを中心に解説しており、併読することで将来に渡って消費する家のエネルギーへの理解がより深まります。
エコハウス超入門
2020年、YouTubeでのエコハウスの解説でも多くのファンを獲得した、松尾和也さんの著書です。全館冷暖房や断熱・気密についての基本を知ることができるので、自分で数値やデータを理解することができます。
プロでないととっつきにくい部分もありますが、すでに家づくりにおける性能確保の重要性を理解している方なら、さらに踏み込んで勉強できる内容になっています。
住宅のエネルギー効率や室内環境の快適性は、設備を整えるだけでは十分ではありません。気密や断熱の重要性を知って、湿気をコントロールしてくれる仕上げ材や自分で手入れできる素材と組み合わせるのがベターです。
「30代半ばで建てても、ちゃんとメンテナンスして老後まで住み続けられる家づくりとは何か?」の学びを得ることができるでしょう。
2020年当初から、コロナウイルスの影響もあり自宅で過ごす人が増えたことから、家や暮らし方についても考え直すことが多くなりました。
レビューも参考に、省エネや健康の観点からも損をしない家づくりに役立てていただけたら幸いです。