今春より始まった、欧州の第一線で持続可能な社会づくりに携わる人々の声を伝えるウェビナー企画の第3回目のお知らせです。
私はスイス–日本サスティナビリティ交流会(SJS )で【建築ブロック】を担当し、コロナ禍以前には現地視察でないと得られなかった貴重な情報をオンラインでお届けしています。
第1回は【エネルギーブロック】から「スイスにおける木質バイオマスエネルギー利用の今」に88名。第2回は【建築ブロック】から「持続可能な建築の考え方と実践」に111名のお申し込みをいただきました。
いずれの回も多くの関心と質問が寄せられ、お答えしきれなかった質問に対しても後日フィードバックをさせていただいています。
第3回SJS交流ウェビナー「持続可能な建築のための断熱材を考える」
【開催日時】2022年9月8日(木曜日)16時30分~18時(スイスより生配信)
【参加費】1,000円
【お申込専用サイト】Peatixページ→ https://peatix.com/event/3299637
今回は「持続可能な建築のための断熱材を考える」というタイトルで、欧州で需要の高まっている天然系断熱材を取り上げます。素材や工法によって建物の性能や寿命は左右され、住む人の健康にとっても非常に重要な要素である断熱材。
日本でも建物の省エネを法規化させる動きの中で、昨今さまざまな断熱材や工法についてプロだけでなく施主が知る機会も増えてきました。
日本ではとかく断熱材そのものの性能や数値によるエネルギーの節約を比較するだけで終わりがちですが、建物の快適性の向上や空気質の改善といったバウビオロギー(建築生物学)の視点も忘れてはなりません。
また、再生可能エネルギーやカーボンニュートラルなどの環境性の視点から、今の気候中立(二酸化炭素だけでなく全ての温室効果ガスの排出を対象とする)時代にふさわしい断熱材を考える会となります。
講師は建設エンジニアで、スイス国立博物館やバーゼル大学、オフィス、集合住宅などで、エネルギーコンサルタントとして実績十分のバルバラ・イェーレ女史。自身のオフィス(JUH ecoconsulting)の執務以外に、スイス・バウビオロギー協会の元事務局長で国家資格バウビオローゲ養成講座の建設エコロジーの教鞭も採っているスペシャリストです。
バウビオロギーについては「住まいは第三の皮膚である」との表現に代表される抽象的で難解なテーマだと思われがちですが、今回、断熱材というテーマでアプローチすることでしっかりと定義された理論を受け入れやすくなることでしょう。
エネルギー問題において後手になりがちな日本において、持続可能な建築の分野を専門的に学べる機関はほとんどなく次世代を担う学生にも考え方をぜひ知ってもらいたい、という思いから学割料金の設定も行っています。欧州の最新の建物で断熱材を選択する際の着眼点について、この機会に見聞を深めていただけたらと思います。
なお、バウビオロギーについてさらに理解を深めたい方には、YouTube動画シリーズ『バウビオロギー講座』がおすすめです。
日本のバウビオロギー研究の第一人者である、前橋工科大学の石川恒夫教授が入門用の概論を分かりやすく解説してくれています。ウェビナーの予習、復習用としてもご活用ください。