人生において多くの人が、1日の約80〜90%を室内で過ごします。
2000年代に入り安全性が強化されたとはいえ、室内にある家具や塗料・建材などは、今なお多くの化学物質を含んで生産され、アレルギーや頭痛などの症状を引き起こします。
植物はCO2を酸素に変換し室内に新鮮な空気を届け、一部の植物は空気中の汚染物質を浄化し、部屋の空気を改善する効果があります。
気密性が高まり熱効率の良くなった現代の家づくりでは、汚れた空気がこもりやすくなります。
室内になるべく自然素材などの建材を使うことの他に、 NASA(アメリカ航空宇宙局)が認めた植物である、エコプラントを置いてみてはいかがでしょうか。
地球の空気はなぜきれい?
どうして、NASAが出てきたのですか?
NASAでは1984年に、植物を室内に置くことで特定の化学物質(ホルムアルデヒド・キシレン・トルエンなど)を分解し空気清浄の効果がある、という研究を実証しているからです。
室内空気汚染の問題は、家や職場に限ったことではありません。
宇宙ステーションやロケットなど、密室状態で長期間を過ごすことが想定されるNASAの宇宙開発事業でも、室内空気をきれいに保つことが研究テーマにされてきました。
人間が宇宙環境でも生命維持をしていくには、地球と同じ様なきれいな空気環境が必要で、そのために植物が貢献しているという結論へとたどり着いたのです。
NASAでは、有毒ガスを発生させる可能性のある化学物質を含んだ塗料や建材、生活用品などを室内に持ち込まない、あるいはガスを出しきってから持ち込むこととされています。
植物は見た目が美しいだけでなく、室内に酸素を供給し、加湿器や汚染物質フィルターとして、自然の空気清浄機の役目も果たします。
室内環境の改善に役立つ、NASAも認めるエコプラントより、日本でも入手しやすく育てやすい観葉植物を紹介します。
空気清浄の効果がある植物5選
NASAの研究者は、植物の空気清浄の効果を発揮させるためには、約9.3㎡につき1つの植物を置くことを推奨しています。
空気清浄の効果が認められたエコプラントの中から、効果が高く且つ入手しやすいものを紹介します。
イングリッシュアイビー
シックハウスの原因物質として規制されている、ホルムアルデヒド・トルエン・キシレンなどの化学物質を分解する効果が認められています。
寄せ植えにも向いており、ポットで吊るしたり棚に置いてツルを垂らしたりすることで、インテリアのアクセントにもなります。
ポトス
ポトスは色んな所で見かけることのある、ポピュラーな観葉植物なので、家やオフィスにすぐ取り入れることができるでしょう。
育てやすさと耐久性で人気のポトスは、ホルムアルデヒドを分解します。
カンノンチク
日本には江戸時代に渡ってきたヤシ科の一種で育てやすく、和風にも洋風のインテリアにも合います。
縁起が良いとされているので、新築祝いなどのプレゼントで贈るのも良いかもしれません。
ホルムアルデヒドだけでなくアンモニアにも効果を発揮し、犬や猫に対しても無毒なので、ペットのいる家にも置くことができます。
ドラセナ
上の写真は日本では「幸福の木」と呼ばれる、「マッサンゲアナ」というドラセナの一種で、ホルムアルデヒド・トルエン・キシレンだけでなく、アンモニアに効果を発揮します。
ドラセナの中でも「ウォーネッキー」という品種は特に育てやすく、塗料や接着剤から発生しやすいベンゼンの分解も行います。
外に出して直射日光を当てすぎたりしなければ、観葉植物の管理に自信のない方でも育てやすい、比較的丈夫な植物です。
テーブルヤシ
テーブルヤシは小さなものから背の高いものまでバリエーションがあり、寄せ植えをしたり、インテリアに合わせてサイズを選ぶことができます。
ホルムアルデヒドの他、特にアンモニアの分解効果が高いのが特徴です。
カンノンチク同様に、犬と猫が口に入れてしまっても無毒です。
室内空気を保つためには植物の空気清浄効果だけでなく、適切な建材の使用や換気、快適な室温や湿度環境などの環境づくりも重要です。
空気をきれいにする他にも、インテリアに観葉植物を置くことで手軽に雰囲気を変えられたり、リラックス効果を得られることはメリットになります。