自然塗料って、何?

自然塗料とは、天然の素材を主原料としてつくられた塗料です。せっかく無垢フローリングや木の家具を使って自然素材の家づくりをしたなら、仕上げの塗料にもこだわって快適な居心地を実現したいところです。

自然塗料は、ひとや環境にやさしいことだけではありません。内容成分の安全性以前に「木に適している塗料は何なのか?」ということも、とても肝心な要素なのです。

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無垢の木の特性を守る

まず、無垢材には温かい手触りや自然の風合い、室内の湿気の吸放湿を整えてくれる機能など、さまざまな特性があります。見た目にはっきりと塗膜を造るウレタン塗装やUV塗装、ニスなどは、表面強度は高いものですが木を閉じ込めてしまい、無垢材の良い面は失われてしまいます。

例えば、せっかく高気密で断熱性の良い家を建てた場合に、冬場に暖房して部屋が暖かくなってもなぜか足元が冷たい現象などは、ウレタンやUV塗装で仕上げられたフローリングであることが一因です。

無垢の木は室内の湿気が多い時は吸収し、乾燥している時にその湿気を放湿してくれる自然の調湿素材です。自然塗料や浸透性オイルで塗装することで、木材は建材や家具になっても呼吸し、経年することで木目の美しさや風合いが増していきます。

無垢の木を長持ちさせる

無垢のフローリングや家具はいったん塗膜を作ってしまうと、その塗膜が傷ついたり剥げてしまったりした時に、DIYでの修復がなかなか難しいです。

それは、ウレタン塗装などを素人で行うことが難しいからです。埃に敏感なので塗装環境を整えたり、経験が浅いとムラなく塗るのは至難の業です。だから、ほとんどの家では床の塗装が傷んで劣化してしまうことで、再塗装はせずにフローリングそのものを入れ替えてしまうという選択肢になりがちです。

無垢の木に浸透させるように塗り込み、においや安全性を気にせず簡単に塗ることができるのが自然塗料です。

無垢の木に適切な手入れをすれば50年、100年と持つことは、多くの伝統建築が手入れしながら現存することで証明しています。

また外に木を張っていると、ペンキのような塗りつぶしのタイプのものが、雨風にも強いというイメージがあります。

ただし、せっかくの木目が消えてしまうだけでなく、木の表面に完全に被膜を作ってしまいます。その被膜を作った状態を維持するために、こまめに塗装を繰り返さなければいけません。ペンキは木の呼吸性を完全に抑え込んでいるので、どこか一点でも塗膜に傷が入って水が侵入したりすると大変だからです。放っておくと水分を含んで木が反ったり、水分が出て行くところがなく中に溜まったりして、木そのものが腐ってしまいます。

塗料の安全性を考慮する

自然塗料に植物オイルを主成分としているものは多いですが、オイル仕上げ=自然塗料ではありません。

日本では、自然塗料の定義が明確に定められていません。健康リスクが高く使用制限を受けているトルエンやキシレンなどが使われていなかったり、逆に植物のオイルが少しでも含まれているだけで、「天然系」「水性」「エコ」と表示して安全性をうたう商品も多いのです。

自分でネットやホームセンターで塗料などを購入する際は、情報公開の多いものの方が安全です。敏感な体質の方は、自然塗料であっても人によって反応するかもしれないので、肌の露出を避け手袋やマスクなど必要なものを揃えた方が安心です。

建築現場で「水性塗料」と書かれた塗料を使う時でも、実際の職人さんはとても注意深く防御しています。塗料に使われる化合物の中には、空気として体内に取り込むだけでなく、皮膚から浸透する有害な化学物質もあるからです。

より純粋で安全性の高いものを求めるなら、ドイツの自然塗料は成分が公開されているものが多くオススメです。

亜麻仁油は亜麻の種子から採れるオイルで、木に深く浸透し内面から木そのものを堅くしてくれます。その亜麻仁油の性質が生かされて、昔から家具や建具以外にも船のデッキ塗装に用いられてきました。

リボス社では原料となる亜麻の花を有機栽培で行なっていたり、溶剤(シンナー)にはお薬や化粧品に使用される食品レベルでの安全性を実現しています。他にもドイツ本国で使用原材料と成分表示(情報公開)の点で評価の高い、アウロ社やクライデツァイト社(日本名:プラネットカラー)、ビオファ社などが日本に入ってきています。日本で高い市場シェアを誇るドイツの木材保護塗料といえばオスモカラーもありますが、成分表示は多くありません。

純度の高い自然塗料は、比較検討して分からなくなるほどのブランド数はありません。

もし比較して分からなくなったら、そのブランドの思いやその会社が他に扱っているものは何なのか、を見てみるもの良いかもしれません。

また、塗料成分を完全公開していることの他に、自然素材ならではの色彩の良さもポイントとなってくるでしょう。

リボス社の自然塗料の前身は、子どもたちが使う、有機溶剤の入っていないクレヨンや絵の具を作る教材メーカーでした。創業時からアントロポゾフィー(人智学)の理念を持って、「自然と調和して共生する」ものづくりがされてきました。

アントロポゾフィーは、ヨーロッパで19世紀末〜現代かけて支持される思想です。日本でも「シュタイナー教育」などの教育や芸術、農業から医療の分野など様々な分野で取り入れられています。

ドイツやスイスなどでアントロポゾフィーの理念でものづくりをしている会社は数多くあり、日本に入ってきているものだとヴェレダ社(オーガニックコスメ)も有名です。

木の家や家具をメンテナンスをして使い続ける

ドイツなどのヨーロッパで自然塗料が選ばれるのは、自分たちで家や家具を手入れして住み続けるという背景もあります。皆がエコロジー商品を使うというわけではありませんし、自然塗料の成分や安全性の他、使い勝手が良いというのもポイントになるかと思います。

実際にリボス自然塗料を使ってみると、かなりさらっとしたオイルで自然塗料の中でも技術は不要で塗りやすいものになります。

細かい部分にはハケなども使いますが、床などにはもう使わなくなった肌着やタオルでワックスやオイルを塗り込むだけです。暮らしてから傷が入ったり汚れが染み込んだものは、塗装前にサンドペーパーを当てて修復しオイルやワックスを塗り込みます。

固く絞った布で落ちない様な汚れは、専用のワックスクリーナー(グラノス)を使って汚れを落とします。

無垢材の大きな凹みはまだありませんが、小さなものであれば濡れタオルを当てながらアイロンを押し当てることで、再度木材が膨張しある程度まで復元できます。もしこれがUVやウレタン塗装だったら、表面的に劣化が進んで傷ができた時に、素人では直すことは相当難しい作業です。

自然塗料を使う際に気をつけたいこと

塗りすぎに注意!

塗膜で覆って木を保護するニスやペンキなどとは違い、木に塗料成分を浸透させることで木自体を強くする塗料がほとんどです。木が吸収しきれなかった油分が表面に残ると、いつまでも乾かずベタつきの原因となります。商品説明に従って塗った後に、室内では木に浸透しなかった余分な油分は拭き取るようにしましょう。

自然発火に注意!

自然塗料は引火点が低く、塗った刷毛や布をそのまま放置すると自然発火する恐れがあります。作業を中断する時は、ハケは容器の中に一緒に入れて密閉して冷暗所に保管するか、次の日まで作業をしない場合は水に十分浸し乾燥しないよう密閉できる容器に入れて廃棄しましょう(*塗装した木が、発火することはありません)。

湿度の高い日は作業しない

室内でも、雨が降っていたりジメジメしたりする日は、作業を行わないようにしましょう。浸透性オイルは、塗って数時間で表面的に乾いたように見えても、完全乾燥には半日〜24時間かかるものが多いです。乾燥時間を見越して作業すると、温度が低くなる冬期の夕方なども作業時間に適していません。

換気はしっかり行う

人への健康リスクがある化学物質を含みながらも、低公害や無公害を売り物にしたりする自称「自然塗料」は多いです。特に室内に使う際には換気を十分に行い、アレルギーの心配がある人は天然成分でも表示を見ながら商品を選んで下さいね。

塗装後は普段のお手入れ以外にも、数年に1回のペースで再塗装をすることで、その後の耐久性がかなり上がってきます。広い空間であれば、塗り方は簡単ですがそれなりに労力を使う作業ですので、家族やまとまった人数で塗装することをおすすめします。

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