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My sustainable wooden house
家づくり

外壁に木を張る時に知っておきたいこと

お施主さん
お施主さん
外部に木を張ったら、すぐにボロボロになりませんか?
なかまき
なかまき
木のことを理解して張れば、とても長持ちしますよ。

私は実際に、日当たりの良い南面と西面の一部に木を張りました。

色々な建物を見てきて分かったつもりだったのに、実際に張る段階で少し不安になったりもしました。

2年くらい経過し、日当たりの良い南側は少し色あせを感じますが西面は大きな変化はなく、そのうち自分で塗り直そうと考えています。

木を外壁に張る時に気を付けたい基本的なことは、3つあります。

①軒をなるべく出す
②外壁に向いている木を使う
③木と相性の良い塗料を選ぶ

木が家のデザインに美しさやあたたかみを加えるのはもちろん、昔から使われてきたことには理由があります。

外壁によく使われる(窯業系)サイディングに比べて、熱伝導率の高い木材の外壁は断熱にも効果的です。

50年以上もたせるつもりで家を建てるなら、自分で塗装ができたり部分ごとで張り替えができたりする木は、メンテナンスコストも抑えてくる良質な建材です。

軒をなるべく出す

「軒を出す」ことの必要性は、木に限ったことではありません。

外壁の種類がサイディングでも塗り壁でも木でも、外壁は直接風雨にさらされて紫外線が当たることが劣化につながります。

特に木は水分を含むと腐りやすく、軒の無い家や軒の届かないバルコニーの外壁などに使うと劣化が早まります。

外壁に向いている木を使う

ウエスタンレッドシダー 北米からの輸入材で実績が多く、経年変化でシルバーグレーになる
イベなどハードウッド 水に沈むほど重く、耐候性が高くウッドデッキなどにも使われる
スギ 日本の気候風土に合い、塗装仕上げ以外に焼杉加工も耐久性が良い
カラマツ 成熟した材が出回ることが多く、着色性が高い
ヒノキ スギ同様に長く使われてきており、スギよりも木目がおとなしい

スギやヒノキなど日本の材は、赤身(幹の中心部に近い)材を使った方が白太(樹皮に近い)材よりも防腐効果は高く長持ちします。

横に貼るのか、縦に貼るのか、貼り方によってもデザイン性はずいぶんと変わります。

また実(さね)と呼ばれる木の接合部の加工の種類や、木材自体の幅や形によってバリエーションのある自然な美しさが楽しめます。

また、熱帯で育ったイペなどのハードウッドを除いては、木の表面はインテリアに使われる様なスベスベに加工されたものは耐候性が落ちます。

手触りがザラザラするラフな表面加工のものを使い、塗料もよく浸透させて長持ちさせます。

木と相性の良い塗料を選ぶ

木が好きな人は素材の色や木目を長く楽しみたいと望まれる人もいて、着色をしないケースがあります。

木が朽ちていって自然な色になればいい、と考える人です。

しかし、少しでも素材を長持ちさせたい、木が風化してグレーや黒っぽくなることを望まない人には塗装をすることをオススメします。

木部に使われる塗料は大きく分けて、3つあります。

結論からいうと、「半造膜塗料」が木との相性がとても良く木を長持ちさせます。

造膜塗料 塗りつぶすことで木目は消えるが、防水性があり塗膜が強いペンキ
含浸塗料 塗料を木に浸透させて木目をきれいに見せる
半造膜塗料 半分浸透して半分被膜を張るイメージで、木の呼吸性を妨げない

ホームセンターにも様々な塗料が並びますが、いちばん大事なことは「木との相性」です。

木は伐採した後も水分を含み呼吸をしている、動きのある素材です。

ペンキは木の素材感をなくしてしまいますが、防水・防汚の機能が高いものです。

しかし、塗膜の一部が破損しただけで一気に水分を含んで膨らんだり木が腐ってしまったりしてしまい、塗り直す作業も大変です。

直射日光が当たらず雨が当たらない様な屋根のある外部だと、木の素材感を楽しめる浸透塗料がオススメです。

塗膜がないので木目はきれいに映えますが、外壁では撥水効果が弱まるのが早く、色が薄ければ薄いほど紫外線の影響を受けやすいので、2〜3年での塗り替えが必要でしょう。

半造膜塗料は日本製のものよりも、後述する木材利用が見直されているヨーロッパで進化しました。

木の動きを止めないことで割れなどを防ぎ、素地の隠ぺい力を高めることで表面強度を保っています。

紫外線カットには濃い色が有効なので、色選びを迷う時には濃い方を選択することをオススメします。

信州カラマツのT&Tパネルを使う

わが家は既製品の木製サイディングである、信州カラマツのT&Tパネルを使いました。

カラマツは日本でも数少ない落葉針葉樹(冬を乗り越えるために葉を落とす)の1つです。

葉まで水分や養分を回す必要がないので、腐りにくく木目の細かいのが特徴です。

これまでは材のねじれなどがあり、建築材としての扱いが難しいとされてきた木材でもあります。

成熟した材の保有量が豊富で加工と施工次第で、はっきりとした美しい木目を楽しむことができます。

信州カラマツにドイツ・リボス社の自然塗料を工場で塗装したT&Tパネルがあり、グリーンを選択しました。

ブルーグレーが人気らしくとても雰囲気も良かったのですが、自然の材料から作られた他にはない発色のグリーンが気に入っています。

メンテナンスに関しては、塗料が自然塗料なので自分でも上塗りできます。

傷んだところだけ2枚のパネルを外すだけで、簡単に交換ができるというのも大きな魅力です。

同じ木材に同じ加工をするだけで再現できてしまう、とてもエコロジーで合理的な素材です。

木に合った塗料を塗ることで、木の寿命も伸ばしていくことができます。

ヨーロッパでも見直される木材の外壁

日本では歴史を100年も遡らなくても、スギ材などを外部に貼って漆喰を塗る家が多かったのですが。

今では窯業系サイディングに慣れてしまって、素材が風化することや手入れしてもたせるよりも、簡単に新しいものに変えることが選択されてきました。

昔からの建築は石やレンガが主体であったヨーロッパでは、ここ20年くらい木材の建材としての魅力や価値が見直されています。

「ウッドルネッサンス」と呼ばれていて、大型施設でも木造建築や木材で仕上げるものが増えてきています。

ヨーロッパで日本の建築家がコンペを勝ち取るのも、木造や木の使い方をよく知っている部分が大きいのでしょう。

実は日本の大学で木造建築について学ぶ授業はほとんどない!?、という現状も反面持ち合わせているのですが。

よく外部に木材を使うドイツの建築家何人かに手入れのことを聞いても、
「どんどんグレーになっていい感じだろ?」「2、30年はもつかな?」「木材だからゴミにならないし、簡単に貼り替えられてエコロジーな素材だよね。」
的な感覚で答えが返ってきます。

彼らは木が経年変化で、シルバーやグレーっぽく変色していくことを見越して使っています。

最初から木に薄いグレー系の自然塗料を塗って経年変化を感じさせにくくしたり、無塗装のものもあります。

ヨーロッパでも日本でも、「木が朽ちていくのもまた味わい」という感覚を持つ人々が、今でも木を使い続けているのだと思います。

適材を選ぶことも大事ですが、木が朽ちるものだと理解し、朽ちるのがイヤであれば適切な塗料で定期的にメンテナンスをする。

もちろん、その前に軒を出したりして、木の外壁が腐ったりカビない様に設計をする必要があります。

そして、木の特性を理解した建築業者で建てるのがより良いでしょう。

まだ需要としては多いとはいえない木質系サイディングですが、素材感があって都会地にも商業地域にも合い、デザインもしやすいエコロジー建材です。

わが家も今ではすっかり自然のグリーン色が周りの環境にも溶け込んで、とても落ち着いた外観を作り出し、夜に街灯を点けるととてもあたたかい光に包まれます。

木の外壁は適切な設計と仕上げで、塗装のメンテナンスや部分的な張り替えをするだけで数十年は使える、とてもエコロジーな素材です。

ABOUT ME
なかまき@リプライエ
1999年よりドイツ・スイスのエコロジー建材を扱う専門商社で、営業とマーケティングに従事後、フリーランスへ。実際に見学したエコロジー建築や自然素材の家づくりとその周辺情報を発信しています。
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