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My sustainable wooden house
家づくり

なぜ木製サッシをすすめるのか?

お施主さん
お施主さん
木製サッシはコストが高くて、なかなか採用に踏み切れません…。
なかまき
なかまき
よく分かります!
私も家づくりの際には家族に理解してもらうために、外せないものの1つとして家におけるサッシの重要性を説きました。

サッシ(窓)の役割って、なに?

サッシ(窓)の種類によって家の室内での快適さ(体感温度)、光熱費が変わります。

私の家づくりでの優先順位は、1番か2番くらいに「木製サッシ」がありました。

木製サッシの良さは、室内の温度調整だけではありません。

締めきってピアノを弾いたり人を招いて多少にぎやかにしてもご近所に気兼ねしないですみ、外の交通などの喧騒も家に入ってきにくい防音性などの魅力もあります。

サッシ(窓)の種類

アルミサッシ 先進国の中で日本だけ、一般的によく使うアルミ枠のサッシ。
樹脂サッシ アルミサッシより断熱性が高い。先進国の新築では一般的に採用。
木製サッシ 上記2種類の素材よりも熱伝導率が低い。省エネ住宅では必須。

先進国では省エネだけでなく、家の中の温度調整をする健康対策としても開口部(=窓)は重要であると位置付けられています。

事実としてアメリカでは、アルミサッシの使用を禁止している州が24州もあったりします。

韓国や中国でも窓の断熱機能に最低基準を設けて、粗悪な窓が市場に出回らない様になっています。

残念ながら日本では窓の基準に限らず、住宅の最低限の省エネ基準自体を決めかねている状況なのですが。(2020年2月現在)

そして、それぞれのサッシのコストは断熱性能と比例します。

オーナーにとってはここが迷いどころです。

ではここで、木製サッシのメリットとデメリットを見てみましょう。

木製サッシのメリット

・高気密・高断熱で省エネ対策ができる(健康的)

・デザイン性が高くインテリアにも馴染む

・メンテナンス次第で寿命が長い

・減音機能あり(数値は各メーカーによる)など

木製サッシのデメリット

・メンテナンスが必須(特に湿度や降雨量の多い地域)

・国産メーカーが少ない(コスト高に繋がっている)

・輸入品はサイズが大きい

私が迷わず「木製サッシにする!」だった理由

機能性=「健康・省エネ」

既に仕事を通じて、開口部の重要性を教わっていました。

日本では一般的なアルミサッシは断熱性能が期待できないのと、「他の先進国では主に樹脂サッシが普及している」ということも知っていました。

開口部(窓やドア)から熱が出入りしやすいので、室内温度が外部の影響を受けにくい様に、家自体が適度な気密や断熱を備える必要があります。

熱伝導率が高い順番でサッシの種類を並べると、アルミサッシ>樹脂サッシ>木製サッシになります。

「熱伝導率が高い=熱を伝えやすい(失いやすい)」ということです。

例えば、輸入の木製サッシによく使われるパイン材はアルミニウム合金に比べて、熱伝導率は約1300分の1です。

樹脂サッシでも、アルミサッシの約1000分の1になります。

熱伝導率が低いサッシを使ったり、アルミサッシでも開口部に工夫(外部で日差しを遮る、内窓を付けるなど)を工夫して、省エネで快適な室内温度に近付けたいものです。

あまり考えたくないことですが、アルミサッシは火災の時に変形する恐れが高く、バックドラフト現象にもつながりやすいので、世界の主要都市ではほとんど使われていません。

ただ、資源が少ない日本では原産国であるオーストラリアとの関係が良好で、アルミ市場は高度経済成長期に一気に成長しました。

そういった背景で安価なアルミサッシに対して、木製サッシは需要が少ないため、国産メーカーが少なく輸入品で検討することがほとんどです。

木製サッシの機能性の中で最大の要素は、まさしく『省エネ=健康』です。

気密や断熱が効いていない住宅では、室内が暑かったり寒かったりしがちです。

エアコンや暖房器具をフル稼働し、エネルギーをいっぱい使わないといけません。

化石燃料に頼る資源や地球温暖化などの環境問題が背景にあり、そして住環境においてはエネルギー消費効率(=光熱費)を大きく左右する「窓」。

先進国の中でも「窓」の性能基準に関しては、日本はとりわけ低いと言わざるをえません。

欧米では窓は健康に関わることとして、最低室温を国や州ごとに18〜21℃の間に法律で定めています。

スイスやドイツではその法律によって使うサッシや断熱性能のレベルが確保され、また新築や改修にあたってエネルギー基準が設けられています。

断熱性能などの基準や素材による性能の違いはもっと詳しいサイトがいっぱいありますので、「窓の性能基準」などで検索をかけてみて下さい。

デザイン

外壁に木製サイディングやスイス漆喰を使うこと、室内も無垢と自然素材で仕上げるということを先に決めていました。

だからこそ木製サッシの塗り壁に合う、見た目のデザインも外せない要素でした。

外側については色々な着色を楽しみ4色塗りましたが、内側は塗ろうと思いながらそのまま月日が過ぎて無塗装です。

ただの無頓着ではあったのですが、結果的に内側が木そのものの色であることでインテリアにとても馴染んでいます。

外側に関しては風雨にさらされ木そのものを傷めてしまうので、無塗装やクリア塗装などは厳禁です。

耐久性

木製サッシはペア(複層)ガラスかトリプル(3層)ガラスがほとんどで、ガラス層とアルゴンガスなどのガス層で作られており、断熱性能も長続きします。

ヨーロッパでもしっかりメンテナンスさえすれば一般的なメーカーは最低30年以上、100年の耐久性を目安にしているメーカーもあります。

しかし、木枠の部分はアルミなどよりも風雨の影響を受けやすく、金具などは磨耗していきますので、メンテナンスは定期的に行わなければなりません。

木部の塗装に関しては、地域や家の造り・取り付け位置によっても変わってきます。

耐候性を考えると、紫外線に弱い薄い着色は避けた方が長持ちします。

また、自分で塗り続けるにも簡単で耐候性があるので、亜麻仁油が主成分のリボス自然塗料のタヤはオススメです。

ちなみに、横すべり窓を使っていますが、拭き掃除の際は180度回転させることができますが、力がそれなりに必要です。

防音

わが家は家を建てるまでも頻繁に音楽を聞き、友達を招くことが定期的にありました。

今の家では子どもに習って欲しいと思い、ピアノを夫の実家から譲ってもらう予定でした。

また家の前の道路は歩行者も車も行き来がそれなりにあり、日中の交通量が少なくない立地でした。

今は約30dBの基本遮音性能を持つ木製サッシのおかげで、音に関しては本当にストレスがありません。

他に目立った防音対策はしていませんが、2階の真ん中の部屋でピアノを弾いていても、ほとんど外には聞こえないレベルです。

防犯

メリットはきりがないので、あと1つだけ挙げておくと「防犯」も大きいです。

トリプルガラスだと厚みからして一目で分かり、なかなか泥棒さんもガラスを割るのに時間がかかりそうです。

ストッパーを開放しなければ、換気をしていても外から侵入できるほどの隙間は開きません。

木製サッシの家に住んで

1日の室温の差が少ない

実際に住み始めて、いちいち「これは窓の効果だ!」と認識するわけではありませんが、ふと気付いた時に家での過ごしやすさを実感することがあります。

マンション暮らしの時より使用頻度は少なく、エアコンはすぐ効くので効率的です。

毎月の光熱費は、窓の種類でも確実に変わってきます。

自然素材の建材に関しては体感で伝わることが多いですが、窓に関してはかなり明確に素材の違いが数値に表れます。

自然素材である木製サッシが新建材(歴史の浅い建材)であるアルミサッシと比較して、明らかに気密と断熱が取れています。

熱伝導率が低く減音効果があるという点は、サッシメーカー各社の資料を参考にされると良いでしょう。

木製サッシの網戸や目隠しについて

ちなみに、木製サッシには網戸は付けていません。

網戸に関してはコンパクトになる折り畳み式の網戸もありますが、視界をすっきりさせたいので今のところ付けていません。

夏の蚊と湿気の多い時期の虫除け対策が必要ですが、アースノーマットで対応しています。

カーテンはなく、ロールスクリーンも3ヶ所のみです。

デザイン障子のことを書いているところでも触れたのですが、カーテンがあまり好きではないということもあります。

寒い時だけでなく、夏の盛りは窓を開けない

近年の厳しくなる一方の夏の暑さは、繰り返しテレビや自治体などでも注意を呼びかけています。

家に長く居る子どもや高齢者に対して、気を付けてあげないといけない面もあるかと思います。

住み始めた時が夏だったのですが、仕事から帰ると20時前でもとても室内に熱気がこもっていた日が続きました。

「断熱はそこまで完璧にはしてないから、木製サッシでもこんなものなのかな?」と思っていました。

しかし実際は、父が風が通れば良いと思い自分たちが居ない日中に2階を開け放して、夕方に締めてくれていたのです。

もう以前の夏とは違って暑い夜ですら熱気を取り込むことになるので、明らかに暑い日になるべく窓は開けないで自分の部屋もクーラーを付けて過ごしてほしい、と話しました。

自然な眺めを絵にする額縁みたい

それぞれの部屋の窓の取付位置に関してはもちろんプラン後も、設計事務所が設置する日まで何度かチェックをしていました。

都度チェックしていても、設計中〜建築中に近隣の家が建つなどの他、自然環境も含めて周囲の環境の変化があります。

わが家の立地は住宅地なので三方は家に囲まれていますし、建て始めて初めて気付くこともあります。

何ヶ所かは実際に取り付ける段階で周辺の緑がよく見える角度や位置に調整をしました。

近隣の家が極端な建て替えを行わない限り、守られる眺めになるでしょう。

それはひとえに設計事務所のプロの仕事ならでは、だと思います。

その眺めは1つ1つ木の額縁に入ったみたいなさりげない絵になり、その考えは聞いてはいましたがここまでとは思いませんでした。

全部の窓からというわけではありませんが、春には新緑、秋には紅葉、夏や冬には青空のワンシーンがとてもきれいに見ることができます。

これがアルミサッシだったらちょっと違った風景になっていたかも、というのは極端でしょうか?

お風呂にも水掛かりなど多少気は遣いながらも木製サッシを使い、夜は小さな庭の景色を楽しんでいます。

額縁の歴史が長いヨーロッパにおいて、額縁は「家具」という位置付けだそうです。

「自然素材の家を建てたい」という思いから始まったこの家づくりで、室内の無垢フローリングやスイス漆喰や他の自然素材の壁などの素材、他の家具などのインテリアとの調和がとれたのは「木製サッシとそこから見える眺めならでは」だと考えています。

採用を迷う人がいれば、他の予算を削ってでもオススメしたい木製サッシです。

誰にも頼まれていないのですが自分が使うことで、あまり知られているとは言えない背景や機能性を友達にも知ってほしい、誰かのサッシの選択肢の幅を増やすことに繋がって欲しい、という思いもあります。

ちなみに、私が使った木製サッシは、エリートフェンスター(ガデリウス・インダストリー株式会社)です。

ABOUT ME
なかまき@リプライエ
1999年よりドイツ・スイスのエコロジー建材を扱う専門商社で、営業とマーケティングに従事後、フリーランスへ。実際に見学したエコロジー建築や自然素材の家づくりとその周辺情報を発信しています。
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