新築したら今ある家具は買い換えようと思っていますが、なかなか決めきれず…。建築業者さんから造り付け家具を勧められましたが、高くつかないか心配です。
意外とリーズナブルに製作できるものもあります。プラン時に必要な家具をイメージして設計図に書き込むと、必要なもののイメージや具体的なコストが見えてきます。
「家づくりがある程度めどがついてから家具を…」と考える人も多いですが、土地探しも建築業者探しも“家具選び”も!同時に始めることをオススメします。
その主な理由は、以下の通りです。
- 家具は住宅ローンに含めることができる
- 家具探しはとても時間がかかる
- 家具は頻繁に買い換えるものではない
- お気に入りの家具に合う家づくりができる
- オーダー家具と置き家具のメリットを享受できる
しかし、新築・リノベーションを行う前に家具も同時並行で検討しておく最大の理由は「家具の善し悪しがぬ入居後の満足感を左右するから」です。
家づくりは決めることがいっぱいあって大変ですが、家具は前もってウインドーショッピングがてら歩き回り、新居での生活を楽しくイメージしながら計画して下さいね。
無垢の造り付け家具のメリット・デメリット
メリット
部屋の雰囲気に合わせて、おしゃれでトータルコーディネートがしやすいのが、無垢の造り付け(造作・オーダー)家具の最大の魅力です。
素材や色などは自分好みで選べ、使う人のサイズ・使い勝手を自分に合わせて作ることができます。
そして、アレルギーや化学物質に敏感な人は、接着剤の使用を抑えて自然塗料で仕上げるなど、健康面での配慮が可能です。
オイル仕上げであればメンテナンスも簡単に自分でできるので、漆喰や無垢フローリングなどとの相性も良いでしょう。
また、地震時は固定されていることで転倒を防止し、よく通るところに配置する家具の角を丸くしておくと安全性も高まります。
デメリット
子どもが育って家族構成が変化するなどの際に、造り付け家具を撤去することは大掛かりな改修になります。
その家具をどのような時にどれくらい使うのかは子ども軸ではなく、夫婦軸で判断した方が良いでしょう。
特に収納については、自分たちがどれくらいの物で生活をするのか体積でイメージするようにし、面積を取られすぎて家のバランスが崩れないようにしたいものです。
個別の部屋にそれぞれ収納を設置するよりは、家族のものをまとめて1カ所で収納することで省スペースにもつながります。
気になるコスト
造り付け家具のコストを考える時に大きく関わってくる要素は、以下の2つです。
①使用する素材
②誰がどこで作るか?
まず、使用する素材によって価格を左右することは、木を例にすると分かりやすいでしょう。
木でも無垢材の一枚板と寄せ木である集成材では価格が違うのは想像がつきやすいかと思います。
さらに無垢材の中でも樹種によって、価格の幅はとても広いものになりコストに跳ね返ってきます。
次に、誰がどこで作るか?についてですが、造り付け家具の工事は下記の2通りあります。
・大工工事
・家具工事
大工工事は、大工さんが現場で製作するのでデザインや搬入(設置)料なども含まれず、ジャストサイズのものを比較的リーズナブルに作ることができます。
ただ、大工さんのセンスに委ねるため、細かな加工や塗装などの仕上げについては家具屋さんにかなわないところも出てきます。
家具工事は、家具工場や木工所などで作られるので大工工事にはない搬入コストなどが上乗せにはなりますが、デザインも選べて複雑な加工にも対応してくれます。
人目につかない収納やデザイン性があまり必要ない家具は、後で置き家具を買わないで済むように、大工工事でリーズナブルに作っておく。欲しい置き家具が見つからずこだわりを持ちたいところは、予算を取って家具工事にするという使い分けがオススメです。
どのような家具が作れるのか?
ベッド | 収納棚 | ニッチ |
カウンター | テーブル | TVボード |
デスク | ベンチ | キッチン |
他にも色々とあるかとは思いますが、収納の中でも食器棚や本棚などは大型で人目にも触れるので、造り付け家具にしてインテリアに統一感を出した方が良いかもしれません。
ここからは、造り付け家具を作った理由と実際の流れです。
まず、実際に作った家具を個別で下記の通り記事にしています。
パントリー・洗面所・クローゼットでの見た目にこだわらない棚に関しては、大工工事でシンプルで低コストに作っています。
置き家具との使い分け
職業柄、家具を見て歩く機会は多く色々候補はあったのですが、設計プランが具体化されていくことで、家全体のデザインと素材の統一感が気になるようになりました。
実際にわが家の家具はほぼ造り付けで、前の家から持ってきたのは親からもらった天童木工のケヤキの座卓のみ。
新築に合わせて買った家具は、いつか欲しいと思っていた北欧デザインのダイニングチェアを4脚のみでした。
設計事務所に依頼した家づくりであったことも、置き家具が少なくなった要因だと思います。
自分でこだわった造り付けの家具は、設計事務所とタッグを組む家具職人さんに委ねることでデザイン性があり、家と家具に統一感が出ました。
家具についてはいったん諦めてしまうと、なかなかリニューアルするという機会は巡ってきません。
自分たちが居心地の良い家づくりにするには、使い勝手の良いお気に入りの家具がマストアイテムです。
「住宅ローンに含める」こともできるので「まだまだ家づくりは数年後に…」と思っている方も、コスト把握を兼ねて普段から家具を楽しんで見て触れて下さいね。